日本における喫煙の状況は、過去数十年にわたって大きな変化を見せてきました。厚生労働省による成人喫煙率（国民健康・栄養調査）見ると、喫煙者の割合は全体的に減少傾向にあることがわかります。平成元年あたりのピーク時と比べると、喫煙率のグラフは大きく降下しています。これは、タバコの健康被害に関する知識が広まり、公共の場での禁煙・分煙のルールが厳しくなったことが関係しているでしょう。また、タバコ税の増税や、受動喫煙防止のための法整備も、喫煙率低下に大きく貢献しています。特に、若い世代は健康志向が高まり、「身体に悪い」「時代遅れ」といった意識も広まりつつあり、明るい兆しでしょう。このように、社会全体での啓発活動の結果、国民の意識の変化が起きたといえます。実際、この減少傾向は日本のみならず、世界全体でも見られています。

年代別に見ると、この減少傾向には違いが見られます。特に20代の若年層では喫煙者が約20％に留まり、非喫煙者が主流となっています。一方、かつて喫煙率が高かった中高年の年代層でも減少はしているものの、年代全体に占める喫煙者の割合は依然として高いです。特に男性の場合、女性と比べてはるかに高い水準にあるのが現状です。中でも、40代以上の年代の男性の喫煙が目立つため、将来的な医療予防の観点から見ても、禁煙支援が重要な課題となっています。また、企業の義務である健康診断を通じた禁煙指導も強化していく必要があるでしょう。このような社会の動きは、公衆衛生の観点から見ると非常に望ましい動きです。今後も、国や自治体による禁煙サポートや、タバコの健康被害についての正しい情報普及が進むことで、さらなる減少が見込まれるでしょう。